こけしの話(29) 佐藤丑蔵

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 あけましておめでとうございます



 年頭にあたり皆様のご多幸をお祈り申し上げます







 



 元旦に近くのお寺に参拝した。森閑とした境内で5歳の孫と二人で手を合わせたが、寒気の気合か厳粛な空気のなかで孫の無事と健やかな成長を祈念した。



 昨年は景気変動著しく悲観論一色の昨今だが、こけし界の不景気風はバブル崩壊以後一貫しており、必ずしも景気動向と連動しない。とはいえ、好況であるにこしたことはない。景気回復を祈るのみ。



 記事の更新を怠っていたが間接的に催促をうけてしまった。写真は今年の年賀状に使ったもの。何を選定するか悩んだが保存に多少の難はあるものの丑年に因んで丑蔵を採用した。本閑話で紹介する二本目の丑蔵だが先の近眼美人丑蔵とともに無為庵所蔵のただ二本の丑蔵である。



 丑蔵のこけしは大正期から戦後まで厖大な作品が残っており、その時々の味わいを持っているが、紫ロクロとなると極端に数が少なくなる。何故に赤ロクロが圧倒的に多いのかその理由は分からないが、このこけしに限っていえば赤ロクロでは魅力が半減するのではなかろうかと思っている。胴の上下を締めるロクロ線はキャンバス空間を限る効果を持ち額縁ともいえる。闊達な胴絵を限るためには同色のロクロ線であってはならない。



 面長な頭部に優しげな鄙の美人顔を描くには胴の奔放を区切る必要がある。先に紹介した近眼美人は情感豊な頭部に比較的あっさりした胴絵でバランスをとっているが、この丑蔵はあどけなく情感を抑え目にしており、胴と頭部をロクロ線で区切ることで破綻を防いでいるようだ。切れ長に遠くを見つめる視線と豊頬は穏やかな日々のなかから生まれでたようであり、安心して見られるこけしと思えるがいかがであろうか。(7寸2分)





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