こけしの話  岡崎斉

 こけしについての話が多くなると思うのでまずは簡単な解説を。こけしとは木をろくろくで挽いて球状の頭部と円柱状の胴とで作る人形で手足をつけない。現在の主産地は東北だが、東北固有のものか、東北に残存したものか解明されていない。その起源については信仰起源説、玩具起源説など諸説ありいまだに決着していない。江戸末期にはすでに存在していたもののその頃のものは残っていない。日本民族の生んだ最後の固有の人形であり、古くからある伝統こけしと戦後盛んになった新型(創作)こけしとに分類される。ここではすべて伝統こけしを取り扱うのでたんに「こけし」と表記する。こけし文献は入門書から専門書まで数多あり、ネットでもいくつかのホームページがあるので詳細を知りたい向きはそちらを参照されたい。



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 まずは岡崎斉の大正期のこけしをお目にかけるが、画像があまりにも小さく見づらい点(画像クリック拡大表示)はご容赦を。斉は現在の鳴子こけしに多大な影響を与えた重要な工人であるが初期の作品で残るものは極めて少ない。横広がりの大きな頭に大胆な菱菊の胴絵がマッチしている。土が躍動感を持って描かれており、現在の萎縮したような鳴子のこけしとは大違いである。後年の斉は綺麗に整いだし昭和10年代には明眸このうえないこけしを作っているが情感が薄くなってしまった。写真のこけしは斉の原点というべきものであり、枠に固定されないおおらかさのなかに諦観を秘めた余韻のあるこけしである。鳴子も古くはかなり自由な世界を持っていたことが分かるが今のこけしには望むべくもないのであろうか。(9寸5分)


 画像をクリックすると大きくなるようです。やってみましたがサイズが少し大きすぎるかもしれません。パソコンの扱いがよく分かりませんのであしからず。



(2016年10月25日追記)
上の写真は、当初の掲載の写真データが失われてしまったため、アルバムの写真をスキャンしたものである。やや不鮮明ではあるがダイナミックな胴絵はお分かりいただけると思う。顔のアップ写真もあったので今回追加する。
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